知的障害者ケアへ協会を支援
2005.04.19
イラク社会で十分なサポートを受けられない知的障害者のケアと社会参加をめざし、ピースウィンズ
・ジャパン(PWJ)はアルビル県にある「クルド知的障害者人権協会」への支援を開始しました。協会の建物内にクリニックを開設し、家族へのセミナーなども実施しています。
クルド自治区アルビル県は、社会基盤整備や社会福祉施設の整備が遅れている地域です。フセイン政権時代に行われた化学兵器による攻撃や病院施設の不足による出産時の障害、近親婚の影響により、障害者数は2000人を超え、そのうち約800人が18歳以下の子どもだといわれています。 イラクでの障害者ケアへの意識や認知度は低く、多くの患者が地域や行政からのサポートを受けられていません。患者の世話は家族に任されているため、家族の精神的・身体的負担も大きく、患者の世話のために外出することができず、親せきからも敬遠されるような事態になることもあります。
クルド知的障害者人権協会は、2003年1月に発足。ニネヴェ県の家族も含め2004年3月には1,000人以上の登録者がいましたが、具体的な活動は行われておらず、クルド自治政府から月々約400米ドルの支援を受けて、細々と組織を存続させている状況でした。
PWJは2004年8月、協会内の建物に小さなクリニックを設置し、専門医による診断やカウンセリングを開始しました。知的障害、ダウン症などを持つ障害者に対して、理学療法、作業療法、遊戯療法などを提供しています。また家族に対してもセミナーを実施し、治療方法や自宅における障害者との接し方、地域コミュニティとの関係のつくり方を指導。また、一人で歩くことのできない患者が外に出られるように車いすの提供も行いました。PWJでは今後も事業を続け、保健・社会事業局主導の精神障害者支援事業にもつなげていきます。
てんかんの子どもをもつ母親の話
「家族でテレビを見ているとき、突然子どものてんかんが始まり幸せな時間が終わりました。手足が動かないため一人で歩くことができなくなりました。他の家族のサポートは受けられず、私一人で世話をする日が長く続きました。PWJの支援により、車いすをもらい、治療を受けられるようになったおかげで、多くのことが変わりました。子どもの状態も治療を受け始めてから少しよくなったと思います。また、私自身も家族にサポートを呼びかける自信を取り戻しました」
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