ここでMy井戸を申し込まれた、あるいはこれから申し込もうかなと考えられている皆さまにとって、どうやって井戸が作られるのかということは、非常に興味深いのではないかと思います。
ですので、 ここでは『井戸の建設工程』の流れを簡単にですが、紹介いたします。


井戸掘削
どの村に井戸を作るのか、そしてその村の中のどこに掘るかということを、独自の調査を行い、村人たちや地元行政も含めて話しあい、決定します。
その後やっと、井戸掘削会社が決定された場所に井戸を作り始めます。
まずは、トラックに載せられた掘削機を使って地面を掘ります。
業者にもよりますが、写真のように最初の数十メートルはドリルを使って単純な掘削を行います。そして、ある程度深くなってくると、今度はマッド(泥)ドリリングという方法を使います。

 

井戸掘削(マッドドリリング)

マッド(泥)ドリリングは、水を使った掘削方法です。これにより、より効率的な掘削が可能となります。
まず村人たちに自分達で2m四方、深さは腰くらいまでの穴を掘ってもらいます。それから業者が持ってきている水タンクを積んだトラックで、その穴を水で満たします。
掘った穴の壁面が崩れ難くなるように、その水にポリマーという樹脂を流し込み、水と混ぜます。 それから発電機でポンプを動かし、水を吸い上げて掘削している穴に注入しながら、ドリル掘削をします。掘削穴からあふれた水は写真のように、溝を伝って途中に作られている沈殿池を通ってまたもとの住民に寄って掘られた穴に戻ります。つまり、当然現地では水は手に入りにくく
貴重なので、循環させるわけです。
※・・・ 掘削はその地域の水の深さにもよりますが、アユッドではだいたい85mは掘らないといけません。


 

ケーシング作業


掘削が進み、水の層まで到達したら、次はケーシングパイプというプラスティックのパイプを穴に挿入していきます。パイプは一本4−5mあり、これを順番に継ぎ足しながら、機械を使って入れていきます。パイプは2種類あって、パイプに細い穴がスリット上に入っているものと穴が無い普通のパイプがあります。穴があいているパイプは、水の層がある深さに設置し、パイプ内に水が溜まるようにします。
下の写真は、パイプを穴の中に全て設置し終えたところです。


 

スプラッシュ作業

ケーシングパイプを設置し終えたら、次はスプラッシュという作業です。細い管をケーシングパイプの底まで入れ、下から空気を噴出させ、パイプの中にはいっている砂等を洗い出す作業です。
噴出してくる水が透明になるまで続けます。通常、この作業には3時間ほどかかります。


 

水吸い上げ用パイプ ・井戸据え付け作業

(左)金属でできた水をくみ上げる為の、パイプ挿入作業風景
(右)井戸の土台を設置している風景
パイプの中がスプラッシュ作業できれいになったら、次は井戸の土台を設置し、ケーシングパイプの中に金属のパイプを入れていきます。ケーシングパイプは、水を溜めておくもので、このパイプは、その溜まった
水を汲み上げる為のものです。


 

井戸の内部構造

(左)井戸の内部構造の図
(右)シリンダー部分
水を吸い出すためには、金属パイプの一番下に設置されるシリンダーと呼ばれる部分が重要な役割を果たします。井戸ポンプのハンドルを上下することによって、一番下にあるシリンダーがパイプ内を上下します。そのシリンダー内にあるゴムの部分が持ち上げられることにより、注射器を同じ要領で水が吸い上げられます。 シリンダーが下がる時に、新しい水が金属パイプ内に取り込まれます。 それを繰り返すことによって、水が地表まで上がっています。100m以上深くなると人がハンドルを動かすのが難しくなるそうです。


ポンプのハンドル部分を大きく動かしすぎることによって、シリンダーの上下運動が大きくなりすぎ、内部のゴム部分が上下の壁にあたって壊れるという場合があります。そのため、住民達への引き渡し時には、井戸の適切な使い方を教えるセミナーをおこない、長く使ってもらえるような井戸の使い方を知ってもらいます。


 

キャスティング作業

井戸を設置したら、次はエプロンと呼ばれる、井戸の周囲にコンクリート部分を設置する作業(キャスティング)に移ります。
これは人々が井戸を使って周囲が泥だらけになるのを防ぎ、固定された井戸が不安定になるのを防ぐため、そして流れ出したあまった水が、できるだけ遠くに運ばれ、地下水を汚してしまわないようにするため等の理由で設置します。

業者が型枠を持っているので、そこにコンクリートを流し込み、約4日後に完成です。

我々のは、井戸の周囲に丸い形を作り、そこから数mの細いコンクリートの溝を延ばします。それでもその溝の先に水が常に溜まってしまい、地下水を汚す恐れもあるため、住民達によって、土を掘り溝を遠くまで延ばしてもらうよう、依頼します。



以上が井戸を作る工程の簡単な説明でした。
こういう風な様々な工程を経て、あなたの井戸が南スーダンのどこかに完成し、人々によって大事に使われます。
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