2004.10.08
ニンジン、からし菜、豆、白菜…
モデル農園に収穫の喜び
ピースウィンズ
・ジャパン(PWJ)が東ティモールのエルメラ県レテフォホ郡で運営するモデル農園で、野菜が次々と収穫されています。気候・風土の厳しい現地では野菜の収量は少なく、現金収入の乏しい家庭は市場で十分な野菜を買うこともできないため、栄養不足が課題となっています。気候・風土にあった野菜をみつけ、その普及の可能性をさぐることは、コーヒー栽培支援とともに、PWJの目標です。
PWJがコーヒー農民の支援を続けるレテフォホ郡の気候・風土は、コーヒー栽培以外の農業にはあまり適さず、自給用野菜は、その収穫量も種類もとぼしくなりがちです。とくにコーヒー収穫後にやってくる雨季は深刻で、栄養不足から体の抵抗力が衰え、病気にかかって命を落としてしまう小さい子どもやお年寄りも例年います。
このような状況を少しでも改善しようと、PWJは2003年10月にモデル農園を開設。自給作物が極端に減る雨季でも栽培できる野菜をみつけ出せないか、日本の農業技術も生かして試しました。しかし、環境は予想以上に厳しく、20種類ほどの野菜を試しましたが、納得できる成果は得られませんでした。標高1500mの山岳地域では土壌の養分がすべて多量の雨で流されてしまうことや、日照時間が極端に少ないことも確認できました。
野菜不足がとくに深刻化するのは雨季だとはいえ、住民たちは乾季(4月〜10月)も十分な栄養を摂取できているというわけではありません。そこでPWJでは今年、乾季に各種の野菜を試験栽培し、現地の気候・風土に合った野菜を探すことにしました。5月に日本から営農指導員の古賀田都子さんを迎え、計30種を植えてみました。標高が高く、気温が低いために発芽しにくいなどの難点はありましたが、PWJスタッフらが手塩にかけて育てた結果、何種類ものが順調に育ち、8月25日にまず、大きく育ったニンジンとからし菜が初収穫を迎えました。続いて、白菜、豆が収穫でき、スタッフたちで実りの喜びを実感しながら、味わってみました。
モデル農園の世話人として6月から働いてきたアマリは「PWJのモデル農園は、地域に普及できる農業技術の成功例をつくるため、いろいろな配慮をしています。貧しい人にも実践してもらえるよう農薬やお金のかかる堆肥を使わないように心がけています。だから、これまで作ってきた野菜はすべて無農薬です。手間ひまを惜しまず、心をこめて作った野菜を収穫できて本当にうれしいです」と喜んでいました。
モデル農園では今、何種類もの野菜が大きく育ち、花を咲かせている品種もあります。周囲の住民からも関心が寄せられ、「どのような農法で育てているのか」という質問や、「おいしそうなので購入したい」という相談を受けることもあります。不思議そうにみつめる農民がいる一方で、実践に興味を持つ農民も出始め、今後の展開に期待が徐々にふくらんでいます。長期的には、雨季の保存食になるような作物をつくることも視野に入っています。
※PWJのコーヒー農民支援事業は、JICA(国際協力機構)の協力を得て進めています。
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