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東ティモール これまでの最新情報 2005


収穫作業にあたるコーヒー生産者


カゴいっぱいにコーヒーの実


収穫したコーヒー実から、赤く完熟した実を選別する


果肉除去などの作業後、天日で乾燥させる

 

2005.09.17
続くコーヒー収穫、収量減でも高品質


ピースウィンズ ・ジャパン(PWJ)がコーヒー生産者の支援を続ける東ティモール・エルメラ県のレテフォホ郡で、コーヒーの収穫作業が続けられています。今年は収穫期前の降雨量が少なかったことから、コーヒー木の枝につく「つぼみ」の数が少なく、収量は例年よりも少なくなりそうですが、収穫・精製されたコーヒーの品質は専門家からも高評価を受けています。

支援3年目の今年の収穫作業は、6月上旬に始まりました。先に色づき始めた標高の低い場所にある農園から作業は順次、開始。標高の高いところにある農園へ、作業のピークは移っていきます。

枝につくつぼみの数が少なかったことは、花を咲かせ、受粉して実になるコーヒーの減少を意味します。コーヒーに生計を依存している生産者たちにとっては、この不作が生活を直撃するため大きな痛手です。生産者とともに高品質のコーヒーづくりを目指してきたPWJは今年、生産者たちの過去2年の実績を高く評価して、コーヒー豆の買取価格を昨年に比べて約20%高く設定しました。生産者の苦境を少しでも緩和することになれば、という思いも込めています。

収量では、昨年を下回りそうな今年のコーヒーですが、その品質は上々。東ティモールで収穫し、精製したコーヒーを8月に日本に持ち帰り、コーヒー専門家堀口俊英さんに品質テストを依頼したところ、「香り、味とも、昨年のものよりも、さらに良くなっている」との評価を得られました。

PWJが日本で販売するためのコーヒーの収穫作業は、9月いっぱい続きます。生産者・支援者の思いが詰まった今年のコーヒーはその後、東ティモール国内でパーチメントの状態まで加工。10月末には船に積み込まれ、日本へと向かう予定です。


3年目を迎えたモデル農場


巡回指導へ出発するアマリさん


巡回指導に参加するゴウララ集落の
メンバー


コーヒーの果肉を利用した堆肥づくり


農業への意気込みを語るマティーノさん

 

2005.09.01
コーヒー収穫と並行して農業巡回指導


ピースウィンズ ・ジャパン(PWJ)は、東ティモールのエルメラ県レテフォホ郡で、コーヒー品質向上の指導を続ける一方、自給用農産物の多様化と生産性の向上を目指して、野菜づくりの支援を行っています。モデル農場での試験的野菜栽培が3年目を迎えた今年、PWJは新たに、野菜栽培についての巡回指導を開始しました。

PWJが運営するモデル農場での野菜栽培は、イモ類や葉野菜などを中心に、2003年に始まりました。気候条件や土壌などが似ているマレーシアで農業技術指導を行った経験を持つ営農指導員の古賀田都子さんを2度、農場に招き、マレーシアでの経験を生かした栽培方法を試し、PWJスタッフへの技術指導を行いました。試行錯誤を繰り返して土地にあった野菜づくりがみえてきたことから、活動2年目の2004年、コーヒー生産者を中心とした近隣農家を対象に農業ワークショップも開催しました。

そして今年、モデル農場で生き生きと育つ野菜を目の当たりにし、農業ワークショップで強い印象を受けた人たちが、野菜づくりに興味を持ち始めました。ソバやレンゲといった以前彼らに配布した種を、植えてみたいという気持ちが芽生えてきました。生産者たちの期待にこたえてPWJは、モデル農場で1年間世話人として働いてきたアマリさんによる野菜栽培の巡回指導を開始。アマリさんはバイクで山をいくつも越え、コーヒー生産者組合カフェ・タタマイラウの各グループに出向いて教えます。参加者も、アマリさんの言葉に神妙に耳を傾けます。アマリさんも野菜栽培の重要性や意義、畝(うね)の造成、コーヒーの果肉や牛糞を利用した堆肥づくり、豆科植物との混植による土壌改良、水やり方法などを熱っぽく説明。巡回指導に参加した人たちからは「PWJスタッフによる技術指導も実施してほしい」「野菜の種や苗がほしい」などの声が寄せられています。

巡回指導を受けたゴウララ集落の組合メンバーは、数日後にさっそく、堆肥づくりの場所と畝の場所を確保しました。メンバーの1人、マティーノさんは「これから家畜除けとなるフェンスをはって、土づくりを始めます」と力強くいいました。コーヒー栽培に依存し、なかなか野菜づくりへの意欲がみられなかったメンバーたちにも、自分たちの手で生活を改善しようという意志と行動が、みえてきました。

PWJ東ティモール駐在スタッフの中島純は、「戦後日本の農村の生活改善運動が成功した要因は、資金の大規模な投入ではなく、生活改良普及員などによる濃密指導にあったといわれています。コーヒー品質改良の活動と同様、農業指導でもPWJスタッフによる濃密指導を忍耐強く行って、成果を上げていきたい」と話しています。


カップテスト会場の様子


テストの準備を進める堀口さん


真剣にコーヒーの香りと味を確かめる


味や香りのちがいを体感した生産者


2005.06.15
生産者たちが「ピースコーヒー」に感動


コーヒーの品質の違いがカップ一杯のコーヒーの味にも影響を与えることを知り、品質向上の大切さを理解してもらおうと、ピースウィンズ ・ジャパン(PWJ)はコーヒー栽培・精製技術の指導を続けている東ティモール・エルメラ県レテフォホ郡のコーヒー生産者を対象に、伝統的な方法で精製されたコーヒーとPWJの指導のもと製品化された「ピースコーヒー」とを比較するカップテストを初めて実施しました。テストに参加した生産者からは味や香りの違いに驚きの声が次々と上がりました。

カップテストは、コーヒー生豆の質を吟味する専門的な検査で、ワインのテイスティングに似ています。今回のカップテストは4月7日、コーヒー農園管理の重要性を伝えるワークショップ(研修会)の中で実施。日本のスペシャリティ・コーヒー(高品質コーヒー)の第一人者の一人、堀口俊英さん(珈琲工房ホリグチ代表取締役)の指導の下、約130人のコーヒー生産者が見守る中、生産者グループのリーダー8人と、農林水産省関係者4人がカップテストを行いました。

ワークショップにカップテストを取り入れた目的は、PWJが指導する精製方法の徹底がおいしいコーヒーを生むことを生産者自身に実感してもらうことと、コーヒー消費国の買取基準の中にカップテストがあり、それぞれの豆に対して厳しく品質が見極められていることを知ってもらうことでした。堀口さんは、カップテストによって、コーヒーの実を摘み取るときに、未熟豆や発酵した豆が入っているどうかかがわかることも伝えました。実際のカップテストが開始されると堀口さんは、テストで見極めるべき項目として、「香り」「酸味」「ボディ(コク)」「アフターテイスト(口に残る香味)」「味のきれいさ」の5項目を説明。東ティモールの高品質コーヒーがそれぞれ「花」、「オレンジ」、「ミディアム」、「甘い」、「きれい」と評価されていることを紹介しました。

いよいよ生産者による、「現地のコーヒー」と「ピースコーヒー」とのカップテストです。初めてカップテストに臨んだ生産者たちは、戸惑いながらも真剣に、そして楽しそうに、香りと味を確かめていきました。彼らは現地のコーヒーについて「香りがない!」と叫んだり、しかめ面をしたりでしたが、ピースコーヒーについては「すごく香りがする!」「味がいい」と高評価を出していました。

生産者からは「自分たちがPWJの指導を受けて作っているコーヒーが、これまでのものと味や香りがちがうことがよくわかった」「品質によって味がちがうことに驚いた」という感想が挙がりました。PWJは今後も、生産者たちが「高品質のコーヒー」の生産に対して高い意識を持ち続けられるよう、取り組みを続けていきます。

2日目にコーヒー農園で農水省職員から実践的な指導をうける生産者たち


農水省職員が農園を手入れすること
の重要性を説明


鉢で育てた苗を土中に植え込む
「植替え」作業を指導


PWJが作成した「台きり」の手順を示すポスター(右から2番目のピンク色)を前に


熱心に講義に聞き入る
コーヒー生産者たち
2005.05.27
ワークショップで農園管理の大切さを理解


ピースウィンズ ・ジャパン(PWJ)は、良質のコーヒーの生産を維持するため、東ティモール・エルメラ県レテフォホ郡で、2004年10月よりコーヒー農園の「手入れ」を促す支援に取り組んでいます。農園を「手入れ」する大切さを知ってもらうため、手入れに関する生産者対象の初めてのワークショップ(研修会)をこの春、開催しました。

東ティモールのコーヒー産業が抱える大きな課題のひとつはコーヒー木の老齢化です。良質の実をつけるコーヒー木の樹齢は一般的に3年から8年、木が健康な場合でも20年までといわれ、その後はコーヒーの実はやせ、品質も落ちるといわれています。しかし、PWJが支援している生産者の農園には樹齢50年の木も。これらの木が再び収穫量を取り戻すためには、幹を地上30センチの高さで一度切り倒し(台切り)、その脇から芽生えてくる枝に実がなるよう育てる必要があります。また一度枝に実がつくと、同じ箇所には二度とならないため、不要な枝をこまめに切り、実をつける部分に栄養を十分届けるための「せん定」作業が大切です。土壌の栄養分を吸い取る雑草の手入れや、台切り直後も収穫量が保てるよう、育苗や植替えを行って木の本数を増やすことなども大切なポイントです。

ワークショップはPWJと東ティモール農林水産省が主催して、4月7〜8日に開催。テーマは「コーヒー栽培、農園管理と品質向上」で、PWJが設立から支援しているコーヒー生産者組合(カフェ・タタマイラウ)のメンバーら約130人が参加しました。1日目の「理論」の講義では、農水省スタッフが台切りや剪定、種子の採取法、育苗施設について説明を行いました。PWJは、昨年カフェ・タタマイラウメンバー60人が約5000本のコーヒー木を台切りした活動をポスターを使ってわかりやすく紹介しました。2日目は実際にコーヒー農園に集まり、農水省職員が中心となって、初日の講義で学んだことを、生産者にひとつひとつ繰り返し、実践的に指導をしていきました。

今回のワークショップはまた、生産者と農水省の職員が直接顔を合わせる貴重な機会ともなりました。農水省のペドロ氏は「今回こうしてお互いを知ることができたことはとてもよかった。今後もPWJや政府と一緒になってがんばっていこう」とワークショップを締めくくりました。

コーヒーの収穫が目前に迫る中、このワークショップの開催は、生産者、PWJスタッフ含め関係者一同のやる気を大きく向上させました。
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