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貧困削減・経済的自立
東ティモールの経済・産業は、2002年の独立まで大国インドネシアの経済に組み込まれていたこともあって非常に脆弱(ぜいじゃく)です。独立後は経済的自立を余儀なくされていますが、コーヒーのほかには大きな輸出産品はありません。食糧自給もままならない現状では、コーヒーを売った代金でコメなどの食糧を輸入するしかなく、自立のためには、コーヒー産業の振興と自給農業をめざすことが課題といえます。

ピースウィンズ ・ジャパン(PWJ)は国内有数のコーヒー生産地で、コーヒーをはじめとする農業振興への住民意欲も強かった、エルメラ県レテフォホ郡の3つの村(レテフォホ村、ドクライ村、ラウアナ村)で、高品質のコーヒー生産に向けた支援を実施。あわせて農畜産物自給のための指導を、モデル農場を運営しながら進める計画です。

なお、PWJが支援している農園で収穫されたコーヒーは、PWJのフェアトレード商品として2003年暮れから、ピース ウィンズ・ショップで販売予定です。



レテフォホの風にゆれるコーヒーの実 (2003.05)



収穫を待つ赤く色づき始めたコーヒー (2003.05)

*レテフォホ コーヒー品質向上支援 (2002年5月〜)

東ティモールのコーヒー産業は国の唯一のまとまった外貨獲得源でありながら、多くの問題を抱えています。なかでも大きな問題は、世界的なコーヒーの供給過剰から国際市場でのコーヒー価格の下落と、生産したコーヒーをどこに、いくらで売るか、農民にほとんど選択の余地がないことです。農民の多くは収穫したコーヒーの実をそのまま、米国の支援を受けている協同組合に販売していました。
 
そのうえ、日本などのように品質管理の意識が浸透してないため、熟した赤い実と熟していない緑の実を一緒に収穫してしまったり、質の悪い豆の選別が十分に行われなかったりすることも少なくありませんでした。

PWJのコーヒープロジェクトでは、熟した実以外は収穫しないことはもちろんですが、収穫後の精製プロセスのなかで品質を高めるための支援を重視しています。実のままの状態で売ったときよりも少しでも多くの現金収入を得られるように、生産者たちがコーヒの実から果肉を取り除いた「パーチメント」の状態まで精製します。パーチメントにいたるまでの、収穫、水槽、脱肉、発酵、水洗、乾燥などの工程ごとに、品質管理の重要性についての理解を深めようとしています。また、コーヒーの木からの収穫高ができるだけ多くなるように、木の剪定(せんてい)や下草狩りなども指導していきます。
組織をつくりこのような取り組みを続けてきた生産者たちは2003年6月、指導開始後、初めての収穫期を迎えました。

レテフォホ郡の農民の手でパーチメントの状態までに精製されたコーヒーは、PWJが適正な価格で買い取り、現地で生豆にした後、日本に輸出。PWJのフェアトレード商品として販売されます。こうした収益事業の純利益はPWJの活動に活用されます。


貴重なたんぱく源であるニワトリ (2003.05)


現地の住民の一般的な家 (2003.05)
*レテフォホ 自給のための農業技術指導 (計画中)

コーヒーの精製プロセス改善でコーヒー売却による収入が増えても、それが他の食糧購入のために使われてしまっては、教育や住居など生活向上のためのお金は増えません。PWJでは自給用の野菜栽培や養鶏技術の指導、農業技術普及のためのモデル農場の開設を計画しています。

レテフォホ郡は高地のうえ急斜面が多く、基本的には農業がむずかしい地域です。住民はビタミンやミネラル、たんぱく質が不足がちで、病気の原因ともなっています。欠乏しているたんぱく質を確保できる大豆などの豆類をはじめ、カボチャ、サツマイモ、からし菜、ミニトマトなどの多品種を少量ずつ、コーヒー収穫後に栽培できるよう指導します。生産性を向上させるために有機肥料の使用技術も導入します。

貴重な動物性たんぱく源としてはニワトリがありますが、現地では闘鶏が数少ない娯楽。成鶏のオスがメスの倍以上の価格で取り引きされるため、まずメスから殺され、メスの成鶏の数も、卵の生産を増えません。卵の生産を増やすために、孵化(ふか)や飼育方法も実技指導する計画です。

地域の生活向上のためには女性の地位・能力向上は不可欠ですが、現地では女性の地位は決して高いとはいえません。女性の地位向上のために、ミントやカモミールなどのハーブの栽培や利用法についての研修を行い、女性のエンパワーメントを図っていくことも検討しています。


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