教育機会の提供
紛争地では、長い戦乱のために学齢期になっても教育を受けられない子どもが少なくありません。また、文化・宗教上の理由で女性が学校教育を受けずに育ったケースもあります。教育の欠如は正しい知識の普及を妨げ、紛争の原因となる偏見や誤解を生みます。地域の復興を担う人材を育てる意味でも、紛争の芽をつむ意味でも、教育の役割はきわめて重要です。PWJは、学校の建設・修復や学用品などの提供だけでなく、ソフト事業としての教育支援にも取り組んでいます。たとえばアフガニスタンでは、2002年から03年にかけ、首都カブールで成人を対象とした識字教育を行いました。受講者の多くはそれまで教育を受ける機会がなかった女性たち。社会参加の基礎となる読み書きを学んでもらうだけでなく、交流が少なかった受講者どうしが情報交換し、連帯意識を高める場にもなりました。
農業の振興
PWJの支援地では農業が主産業である場合が多く、人びとの自立を支えるうえで農業支援が重要な意味を持ちます。たとえば、アフガニスタンでは地域総合開発の一環として、果樹の種子や苗木を農家に配り、内戦や干ばつで深刻な打撃を受けた農業の復興を目指しました。あくまで地域の自立を図る観点から、種子の配布にあたって村ごとに農民を組織し、収穫物のなかから種子の一部を回収して再び貧困家庭に配布するという方法をとりました。また、スマトラ島沖地震・津波災害の支援では、作物の種子や肥料、くわ、シャベルなどの農業資材を配布するとともに、農業研修センターを修復し、野菜栽培やヤギの飼育などに関する技術指導を行いました。ココナッツやピーナッツを加工するための施設も再建し、農家の自立を助けました。


職業訓練、収入向上支援
PWJは農業のほかにも、紛争地や災害被災地の人びとが生計の手段を得るための支援に力を入れています。アフガニスタンでは戦闘などで夫を失った女性が現金収入を得られるよう、養鶏用のヒナや餌を提供し、飼育技術についての訪問指導などを行いました。こうした女性の多くは文化的・宗教的な理由から家の外で働いた経験がなく、生きていくためには技術を身につける必要があると考えたからです。絹糸や絹製品を売って生活できるように、やはり女性を対象に、かつての伝統産業だった養蚕の技術指導もしています。一方、リベリアでは、内戦にかかわっていた元兵士を社会復帰させるため、武器を手放した元兵士に職業訓練の機会を提供しました。

フェアトレード
開発途上国の人びとがつくった物を公正な価格で買い取り、それを日本国内で販売する「フェアトレード」も、経済的自立を支える有効な手段の一つです。日本でも国際協力の新しい形として少しずつ関心が高まっており、PWJも設立まもないころから積極的に取り組んでいます。PWJのフェアトレードの看板商品は東ティモールのコーヒーです。東ティモールでは独立前からコーヒーがほとんど唯一の輸出産品でしたが、かつては品質があまりよくなく、競争の激しい国際市場で高く売ることはできませんでした。PWJはJICA(国際協力機構)などと連携し、コーヒー農家に対する栽培・精製の技術指導を行うとともに、無農薬・有機栽培の高品質コーヒーとして、国内での販路拡大に力を注いでいます。現在はコーヒー農家の自立を促す観点から、生産者組合の運営支援も行っています。












