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イラク

イラク戦争から4年以上がたったもののイラクの情勢に改善がみられない。
首都バグダッドを中心に連日のように爆発事件が発生。多くの住民が身を守るため住み慣れた町や村を離れ、難民や避難民となっている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報告によると、イラクを脱出した難民の数は160万人。避難民は220万人。その数は毎月6万人のペースで増加している。こうした事態を受けて、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は避難民支援を強化し、越冬支援事業も開始した。

毎日2000人が避難民に

難民増加のためイラク国外への越境は制限され、貧困層の多くがイラク国内で避難している。その多くが、イラク国内で比較的治安が落ち着いている北部の旧クルド人自治区(ドホーク州、アルビル州、スレイマニア州)をめざしている。しかし、3州を統治するクルド地域政府は治安悪化を恐れ、紹介状などを持たない避難民の地域内滞在を制限。そのため、イラク中央政府の管轄地域と旧自治区との境界線付近(通称「グリーンライン」)に多くの避難民がとどまり、旧軍事施設やテントで困難な生活を続けている。

南からの避難民流入が止まらないなか、イラクとトルコとの問の緊張も高くなっている。

そのイラク北部に、冬が迫っている。山岳部は雪が降り、気温は零下15度にも下がる。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は避難民支援を強化し、越冬支援事業も開始した。一方、化学兵器による攻撃で6000人の市民が犠牲となったハラブジャの町では、本格的な母子病院の建設を進めている。戦乱に見舞われ続けてきたイラクの人に、せめて一時の安心と休息を。PWJのイラクでの活動はまもなく13年目に突入する。

学校改築とともに職業訓練も実施

 

理容訓練を受ける人たち

  理容訓練を受ける人たち
  (C)Peace Winds Japan

2007年4月、PWJはグリーンライン上にあるイラク北部ニネベ州ファイダ地区の旧軍事施設に避難する約2000家族を対象に、小中学校の改修・増築と職業訓練、職業訓練修了者への収入向上事業を始めました。

改修・増築した学校は、アラビア語で授業を行う地域で唯一の学校で、クルド語が話せない多くの生徒が集中し、生徒数は前年の230人から1065人に増加。老朽化が激しく、教室も生徒数増加でパンク状態でした。

職業訓練は、避難生活の長期化が懸念されるため開始しました。専門技術を身に付け、雇用のチャンスや収入を高めることを念頭に置いて、建設技術と理容技術の指導をすることにしました。

職業訓練を受けた避難民の問からは、技術を生かして職をみつけた人も出始めています。

困窮するゲルデセンキャンプを支援

 

 衛生環境の改善へ排水溝を整備
 (C)Peace Winds Japan

7月には、170家族がテント生活を送っていたゲルデセン避難民キャンプで支援を始めました。気温が40度にもなる時期で、優先したのは、衛生環境の改善でした。

PWJは、排水システムを整備し、生理用品などの衛生用品セットや水タンク、蚊帳を配布しました。また、避難民流入で負担の増えたゲルデセン村診療所へ6カ月分の医薬品を提供しました。

キャンプはかつて農地だったところに開設され、土の上にただテントが張られているだけの状況だったため、雨や冬期の雪が降ると、すぐにぐちゃぐちゃになってしまう状態。冬に備え、PWJは10月から、テントの下にコンクリートの床と保膜壁を設置する支援を実施しています。

冬を乗り切るため4万リットルの灯油配布

厳しいクルドの冬を乗り切るには灯油は欠かせません。そして灯油は暖房だけでなく調理にも使われます。イラクは産油国ですが、現金収入がなければ、灯油を買う術がありません。PWJは、避難民のなかでもとくに状況が深刻な約200家族に灯油を配布します。

対象は、女性と小さな子どもが居住者の7割近くを占めるゲルデセンキャンプと、デラロックとシェラディザという山岳部の2つの村のテントで生活する避難民。

配布量は一家族あたり200リットル。これは平均的な家庭が一冬に必要とする灯油の3分の1の量に相当します。

デラロック村での灯油配布

デラロック村での灯油配布
(C)Peace Winds Japan

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