スタッフ・インタビュー

第4弾 岸谷美穂(きしたに みほ)さん

岸谷さんは、ピース ウィンズ・ジャパンの海外事業部に所属しています。2000年から3年間、イラク北部クルド人自治区のプログラムコーディネーターとして現地で活動。
明るい関西弁と、屈託のない笑顔が印象的な女性スタッフです。現在は英国に留学しているため、休職中です。


―岸谷さんのバックグラウンドをお聞きしたいのですが、どのようなきっかけがあってNGOに興味を持ったのですか?

『もともとNGOに興味はあったんですが、大学4年生の時に授業で、フィリピンのNGOがどのように民主化運動を形成していったかをフィリピンに調査しに行ったんです。その時に指導して下さったフィリピン人の先生が、昔マルコス時代に自由化のリーダーをやってらっしゃって、今でもNGOと深い関わりを持ってらっしゃる方だったんです。その先生からどのようにして民主的な部分を変えるかというお話を聞いて、NGOでもそういう政策のところにも関わっていて、そういったNGOの動きというのが市民社会の形成には重要なんだなと感じたんですね。そういう視点からNGOで働くのも面白いかなと思って、大学を卒業してすぐNGOに就職しました。』

―岸谷さんはイラクでコーディネーターとして活動なさっていたと伺ったのですが、具体的にどういったお仕事なのか教えて下さい。

『イラク事業の責任者として、スタッフの管理から財政的な管理、アメリカ政府との事業交渉などやっていました。一番大変だったことは、100人の現地スタッフの管理ですね。全員イラク人で、文化的背景も違うので。事業がうまくいっているか定期的に確認もしていました。要するに、人を扱う仕事ですね。優秀なスタッフがうまく働ける環境を整え、うまくスタッフを配置し、事業効果を上げていくっていうのが私の仕事でした。』

―イラク戦争中も含めて約2年間イラクで活動していて、一番嬉しかったことを教えて下さい。

『イラク戦争が始まって、今まで「食糧がない、何とかしてくれ」とか一方的な要求ばかりしていた避難民の方たちが、初めて私の心配をしてくれたんです。「なんで日本人なのに逃げないんだ?」と。私はその時、「日本人だからこそいるんだ」と答えました。「私がいることで日本にいる人の注目が集まるし、そうしたことをしないと今までいた意味がない。そんな時にいなくてどうするんだ」と。そういった話をした時に非常に喜んでくれて、私自身も感動しました。その時初めて、一方通行だったボールの投げあいがキャッチボールになったんですね。』

インタビューを受ける山本さん

―逆に辛かったことは何ですか?

『イラク戦争が始まる前、一番信頼していたイラク人のスタッフに、「イラク戦争が始まったらお前は逃げるだろ。我々イラク人は逃げられないんだ。どうすればいいんだ。」と責められたんですね。その時は言い返せない悔しさがありました。それは事実ですからね。本当のところで、日本人と戦争下に置かれているイラク人との違いを感じました。その後、戦争中も滞在して一緒に仕事をしていたので、ある程度は信頼を取り戻せたと思いますけどね。』

―NGOが抱えている問題点の一つに資金不足があると思いますが・・・。

『そうですね。皆さんのご寄付に頼っているところはあるんですが、NGO自身も努力していかないといけないですね。どうしてそういう事業が必要で、どうして資金が必要なのかということを、皆さんに伝えていく責任がNGOにはあると思います。我々個々のスタッフがそういった努力をしなければならない。人のお金を使って、人の命を預かっている仕事だからこそ、そういった意識をいうのを持って、積極的に説明していかなければならないです。そうすれば理解してくれる人も増えて、寄付して下さる方も増えるだろうし、それによって更なる命を守っていけるんじゃないかと思います。』

―最近では、国際協力に興味を持った学生や若い人が多いと思いますが、何かメッセージはありますか?

『学生で若いというメリットを使って、迷惑でもいいから(第三世界などへ)出てみることだと思いますね。現場の状況を見て肌で感じるっていうことが一番の出発点だと思いますね。学生さんだから迷惑かけようとも、「まぁ仕方ないかな」とみんな思ってくれると思うので(笑)。その特権を活かして経験することが重要だと思います。』

―やっぱり見るのと聞くのとでは違いますよね。

『そうですね。思い切っていろんな所に行ったり、もちろんフェスティバルに行ってみるのもいいだろうし、興味があれば何でもやってみるのがいいじゃないですかね。いろいろな経験をして社会人になるのと、一つのことだけ思いつめて社会人になるのとでは違うと思います。』

インタビューをするボランティア

―人との出会いって大事ですよね。私もピースウィンズでボランティアをしていて、ボランティアをしていなかったら出会わなかったような人たちと話す機会がたくさんあって、とても刺激になりますね。

『学生さんだと同じ学生さんとしか付き合いがなくて、ちょっと世間が狭いじゃないですか。だから違うところに出てみるっていうのも重要だと思いますね。それが人生のやりたいことのきっかけになるかもしれないし。楽しければいいんですよ(笑)。』


―そうですね(笑)。今日は本当にありがとうございました。

今年の9月から大学院に進学するため、ピースウィンズを一時的にお辞めになっていますが、2年後にまたピースウィンズに戻ってくる予定です。

 
   

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